お知らせ

たかすオハナ牧場のホームページ開設に寄せて

 たかすオハナ牧場は、福井県越前海岸の近くの小さな農村に2020年4月に誕生しました。

 「たかす」はこの地区の名前です。かつて戦国時代、一乗谷に居城を構える武将朝倉氏の鷹狩りの狩猟場がこの地にあったことからその名がつけられたという説があります。

 「オハナ」とはハワイ語で「家族」を意味します。限界集落のこの村が衰退することは家族が消えること。村ににぎわいを取り戻したいとの願いを込めてオハナと名付けました。

 ヤギ4頭からスタートし、今年2021年にサフォーク種ヒツジが4頭やってきました。そう、羊のショーンで知られる顔の黒いあのヒツジです。

 村の周囲に広がる耕作放棄地の雑草対策がヤギと羊たちのミッションです。今後はサフォーク羊を増やして休耕田だけではなく、荒れ放題の林にも放牧場を広げ林間放牧によって放棄された田畑や林など集落の周囲全体を保全していく計画です。

 サフォーク種は肉専用種です。美味しいラム肉になってくれます。たかすオハナ牧場では放牧場に自生する野草を餌の中心の粗飼料とし、濃厚飼料として、近所の豆腐屋さんと提携して大豆の搾り粕のオカラ、福井産コシヒカリのくず米とその米ぬか、生産高全国一の六条大麦のくず麦、さらに福井産蕎麦を与えてヒツジやヤギを飼育しています。こうして育てられたラム肉は「福井ハーブラム」として福井市内のフレンチレストラン等に出荷していく計画です。

 今後の牧場の未来予想図。

 牧場内には、近隣の林の間伐材を用いた子供用のアスレチック遊具を設置したアスレチックフィールドを整備していきます。また、これからますます増えるであろう耕作放棄地を借り入れて放牧場とし、ヒツジを数十頭にまで増やしていきます。数十頭に増えたヒツジの管理はボーダーコリーという牧羊犬のお世話になることでしょう。この牧羊犬がヒツジを動かす様を「シープドッグショー」として訪れる皆さんにお見せしょうとも計画しています。

 併せて、木曽駒という在来種の馬のワンコイン乗馬体験、また、黒毛和牛の子牛の繁殖も手掛けます。こうして地域の農地を保全しながら牧場を整え、それらの仕事で雇用を産みだし、働く若者たちにを村へと移住してもらいます。彼らがこの村で家族を持ち暮らしていくことで村は消滅の危機を脱することができるでしょう。

 牧場に関わるすべての人たちが独りでは心細い肩を寄せ合い、「オハナ」の絆という焚火に心の手をかざして暮らしを紡いでいくことが叶ったら、牧場はきっと福井屈指の観光スポットとして村や地域はもちろん、全国の他の中山間地のモデルケースとして注目の存在になっていることでしょう。

 いっぱいの夢をたくさんの皆さんと分かち合うこと。オハナスピリットで、牧場は進んでいきます。ぜひご一緒に。

牧場主  藤井省三