私、藤井の祖父の妹、藤井はなが嫁いだ先が北海道・札幌でした。彼女の夫はなかなか革新的な方で、札幌にスーパーマーケット第一号を開店した人として知られています。その息子さんの寅雄さんもその血を継いで、ハワイ島に日本の蕎麦を持ち込み栽培農園を開きました。製粉してサンフランシスコなど全米に販売していたのです。私は彼からハワイについていろいろ学び、現地の日系人、アラカワさんを紹介してもらい、私のハワイのつながりが始まったのです。
「オハナスピリット」
これまでに 100 人もの福井の子どもたちをハ
ワイの英語サマースクールに入れるために十数回引率していきました。その中で深く感銘を受けたのがハワイの「オハナスピリット」です。「オハナ」とはハワイ語で「家族」の意味です。ハワイはポリネシア文化で、血縁関係をとても大切にします。
家族を意味する「オハナ」
1830年頃からハワイは世界中から多くの移民を受け入れてきました。日本からがもっとも多く明治初期から22万人がハワイに移民としてわたっています。日本人の真面目で勤勉な気質もあり、現在ハワイの政治、経済、教育など重要な地位に日系人が多く活躍しています。しかしこれも、ハワイの懐の深さがあればこそで、異邦人を家族のように受け入れてきた「オハナ」の心そのものにほかなりません。
限界集落化というのは、家族の喪失です。その繋がりを血縁に固執するのではなく、心のつながりとして訴求するのが今で言うところの「関係人口」です。それこそ、まさにオハナスピリットではないでしょうか。集落の魅力を分かち合える人たちがオハナになれます。近い将来村に移住できる人、移住は叶わないけれども民宿や牧場を訪問してつながれる人、訪問はできなくても季節の便りを通じて村人と心を通わせられる人。それらすべてがオハナなのです。福井に住む人なら、別居している親の顔を見に行く感覚で、「コーヒー飲みに来たよ~元気にしてるか?」と、カフェオハナの扉を開けることができます。そんなオハナなコーヒーブレイクも私達の願うところです。